反撃の糸口が見つからない。今の地力の差をまざまざと見せつけられた試合でした。


3月31日予定の第30節川崎ブレイブサンダース対アルバルク東京の代替試合が4月28日川崎ホーム川崎とどろきアリーナにて行われ、72-92。20点差でアルバルクは敗れました。


これで、CS出場はすでに自力での進出は消えており、残り4試合全てに勝利して、富山が残りの北海道戦2試合に連敗した時のみアルバルクがCSに進むことができます。


可能性はゼロではありませんが、実質的には川崎戦の完敗で引導を渡された。という印象でした。



この1戦で川崎はアルバルクに対してどのようなバスケットを展開したのか?


アルバルクの川崎に対するゲームプランの狙いはどこにあったのか?


そこを川崎はどのように阻止したのか?


紐解いていきたいと思います。 


【川崎の狙ったゲームプランとは?】


このゲーム川崎はファジーカス、ヒース、アギラールのビッグラインナップと篠山、辻のバックコート陣でスタメン起用をしてきました。


佐藤HCは徹底して川崎のストロングポイント「高さ」を強調した、戦い方をしてきました。

今のアルバルクは、リーグの中でサイズが足りません。インサイドのケビン(203)、デション(201)、ベンチプレーヤーはソープ(198)と玄(199)です。
竹内譲次は怪我で出場できませんでした。

3番プレーヤーは菊地(191)須田(189)ザック(193)です。

3番から5番までどこのポジションでも5センチから10センチ程度のミスマッチが生じます。

さらに、ヒース(208)ファジーカス(206)アギラール(203)はサイズだけでなく

①ファジーカスにはパスセンスがありハイローを狙えます。
②ヒース、アギラールは運動能力が高く走れるため、トラジションについていけてスピードのミスマッチを苦にしません。つまり速攻を出しにくいです。
③ファジーカス、ヒースのスリーポイント確率が高いため、アウトサイドは辻、大塚の川崎シューター陣以外にもケアが必要、且つアウトサイドでスイッチした時にミスマッチが生じているときのシュートチェックはほぼ無効になってしまいます。

こうした中とった川崎の戦術は、「徹底してミスマッチを狙う」ことでした。

ヒース(208)とデション(201)のミスマッチ。
アギラール(203)と菊地(191)のミスマッチ。
ファジーカスと篠山のピックアンドポップ。
ペリメーター陣のドライブからキックアウト。
シンプルにアリウープを狙う。
全てが川崎の得点を生み出ししました。

乗った川崎はファジーカス、ヒース、大塚の長距離砲が面白いように決まりだし、手がつけられなくなっていきました。

【アルバルクが狙ったゲームプランとその崩壊】

一方、アルバルクは

①スペースを広くとって秋田戦で有効であったドライブアンドキックアウトで川崎ディフェンスを収縮させてオープンを作ってスリーを狙う。
②デションにボールを預けて個人技で打開を図るアイソレーション。
③ロー ポストのビッグマンにはダブルチームで抑える。

基本的には上記の戦術を展開していたようです。

上手く遂行できなかった原因は、インサイドでのヒース、アギラールの存在感でしょう。

圧力はおそらく想像以上でウィングスパンも長いためペリメーター陣のドライブに対してシュートもキックアウトもタフになり、精度が落ちて思うように攻めることができなかったことが原因の第一ではないでしょうか。


オチャは第1クォーターからその圧力に屈してディフェンスでファウルを連発してしまいました。

オチャのファウルトラブルにより時間制限のある大貴がゲーム序盤から出ざるを得ませんでした。

これが2番目の上手くいかなかった原因でしょう。オチャは第4クォーターでファウルアウトしています。


第三は、アルバルクのビッグマン対策であるロー ポストでのダブルチームが川崎に対しては構造的な問題があったという事です。


川崎ビッグマンオンスリーの場合、トップに篠山、右ウィングに辻、左ウィングにファジーカス。

右ローポストにヒース、左にロー ポストにアギラールが配置するセットがありました。ウィングのファジーカスにボールを預けてローポストのアギラールにパスします。マッチアップは菊地なので逆サイドからデションがヘルプに来てダブルチームで抑えに行きます。

すると空いた逆サイドのヒースにパスして決めるというセットです。


その時はフォローした大貴がパスカットしましたが溢れ玉をオープンになったファジーカスに回されてスリーを決められました。


3人のビッグマンとシューターがいるためダブルチームに行くとビッグマンの1人もしくはシューターが必ずフリーになってしまいます。


ダブルチームにいかないと抑えられず、行けばオープンができる。構造的な問題は解決できていませんでした。


もう一つ川崎のセットオフェンスで防げなかったのがシンプルなホーンセットでした。


篠山がトップでセット。ホーンセットの右にファジーカス左にヒース。篠山はファジーカスにボールを預けて、リターンパスを左ウィングでもらいます。ヒースとのピックでドリブルで左コーナーに進めます。マークの誓哉はソープとスイッチして篠山にソープがつきました。このタイミングで篠山は左ウィングにポップしたヒースにパス。ヒースのマークが誓哉なので、ヒースは誓哉の上から楽々スリーを決めました。


【完敗から学ぶものはきっとある】


完敗でした。


残りの4試合、悔いのない戦いをしてもらいたいです。


ひとつひとつ解決されていない課題の克服を最後までトライして欲しい。それを見守ることがブースターのできることです。



今週末の千葉戦でオフェンスリバウンドの強い千葉に対していかにローポストを守るのか?ダブルチームとローテーションをどこまで洗練することができるのか?


カットアンドドライブ、ドライブアンドキックでいかに堅い千葉ディフェンスを崩せるのか。


自信を持ってスリーポイントを撃ち続けて残り4試合のひとつ目、千葉戦に勝利して成長を続けてもらいたいと思います。


photo kii