BリーグCSが始まった。


クォーターファイナルはレギュラーシーズン東地区1位宇都宮とワイルドカード下位の渋谷との対戦に行ってきました。


結果は第1ゲーム92-84、第2ゲーム111-74。2連勝で宇都宮が次のセミファイナルに進み、ブレックスアリーナにて川崎ブレイブサンダースを迎えることとなりました。


今回のブレアリでの渋谷戦を観戦する中で、宇都宮がビッグオンスリーに完成度が増して断トツの優勝候補に挙げられる川崎に対してレギュラーシーズン1位の宇都宮に死角はあるのか?を検証してました。


【点差ほどの実力の違いはない、はず】


「ホームアドバンテージ」これを味方につける事がどれだけ力になるのか。宇都宮で観戦するたびに思うことですが、この日の渋谷もブレアリの圧に圧された感は否めません。


第1ゲーム渋谷は30回のフリースローを得て16得点しかできませんでした。仮に前半の試投10回のうち3本しか入らなかったフリースローが全て得点できていたのなら、この日の勝ち負けは違っていたかもしれません。


渋谷のCJ、マカドゥはフリースローの確率は良くはありませんが、流石に50%は超えています。前半30%のフリースロー確率はブレックスブースターがおこしたマジックと言えるのではないでしょうか。


2戦目は第2クォーター残り1分42秒に宇都宮のピークが渋谷CJのボールをスナップしようとしてCJの目を突いてしまいました。 

CJはそのまま試合には出れなくなりました。


この時36-44で渋谷のビハインドでしたが、インサイドの核を失った渋谷はそこから失速して宇都宮に追い付くことはできませんでした。


この時、笛も鳴りませんでした。


運も実力の内ではありますが、「111-74」点差ほどの実力の違いは無い、はずです。


ホームのブレックスアリーナで川崎を迎える事ができるメリットは大きいでしょう。


【宇都宮のブリッツ対策】


次の対戦相手川崎もトラップディフェンスを仕掛けるチームです。


辻や篠山のガードとヒースやファジーカスが、ハイポジションでのピックアンドロールのスクリーンユーザーに対してショウ(追って)してダブルチームでスティールを狙う事があります。


渋谷もほぼ毎回ハードにこれを仕掛けます。


その対策が1ゲーム目に効果を発揮した、ピークのスプリットドライブです。


ケリーと関野にダブルチームで挟まれるときピークはディフェンスの真ん中を割ってドライブしました。


ダブルチームを組んでいるので割ってドライブするとディフェンスが足りません。そのままレイアップもいけますし、ゴール下にポジションを取るスコットにパスも出していました。


これはピークの体格とハンドリング技術があるから可能だったのでしょう。


この日ピークはペイントを中心に28得点しました。


ピーク以外のスクリーンユーザーはドリブルで後ろに下がるリトリートはあまり選択していませんでした。同じようにディフェンスの間を割ってゴール下方向のスコットへのパスを狙ったりします。


テーブスはプリッツに来たらローポストのロシターにパスを早めに捌いてゴール方向にカットしてリターンパスを受けてペイントアタックをします。ディフェンスが収縮したところを比江島にキックアウトしていました。


【タイムアウト明けにゾーンディフェンス】


第1ゲーム第2クォーター残り3分52秒、点数は37-35でした。1ポゼッション差に渋谷が迫っていました。


渋谷はタイムアウトを取りました。

オフェンスの作戦の指示を出していたはずです。


渋谷が宇都宮のマンツーマンディフェンスを前提にセットオフェンスを作ってくるであろうところのタイムアウト明けに、宇都宮は2ー3のゾーンディフェンスを敷いてきました。


デザインしたセットを使いたかった渋谷の狙いを潰したのです。

そこでリズムを崩した渋谷はこの後3本連続で宇都宮にスリーポイントシュートを入れられてリードを広げられてしまいます。


川崎に対しても同様に効果的にゾーンディフェンスを使っていく事でしょう。


【ハイローに対してミスマッチを防ぐ】


渋谷の有効なオフェンスのひとつにポストアップしたケリーとCJやマカドゥのハイローパスがあります。


川崎のファジーカスがヒースやアギラールにハイローでパスを出す場合と同様です。


このミスマッチを突くことを狙いとしたハイローに対して宇都宮はディフェンスのローテーションでミスマッチを防いでいました。


山内が左コフィンコーナーにエントリー→ケリーがトップの位置にスクリーンセット→山内がドリブルでケリーのスクリーンを使って右ウィングに移動します。山内のマークマン鵤はスイッチしてケリーのマークのロシターとマークチェンジします。


さらにCJが左エルボー、ケリーが右エルボーに移動してホーンセットを作ります。鵤はケリーからCJにマークチェンジします。CJのマークマンのスコットがケリーにつきました。


ケリーはハイポストに上がってCJがローポストに移動します。このまま鵤がCJについていたらミスマッチでやられてしまいます。


宇都宮ディフェンスのローテーションは徹底していました。


ケリーにパスが回った直後左コーナーの関野のマーク、ピークとCJのマークチェンジをしています。


ケリーからのCJへのハイローパスが通ります。CJのマークのピークがCJの前に立ちはだかり、ボールをティップ、奪いにかかりました。


渋谷の攻撃は防がれジャンプボールシチュエーションとなりました。


鵤はわずか5秒の間に山内→ケリー→CJ→関野

4人のマークチェンジしていました。


恐ろしいほどの遂行力です。これが他にはマネできない宇都宮ディフェンスです。


川崎の篠山→ファジーカス→ヒース→アギラールの場合は同じように行くでしょうか?


ヒースをピークが止められるか?鵤とアギラールもミスマッチです。宇都宮の成熟したローテーションディフェンスが川崎ビッグラインに通用するのか?


今から興味がつきません。


【川崎ガード陣の脅威】


一方川崎はアウェイ大阪戦を2連勝でで勝ち上がりました

 大阪も帰化選手アイラ•ブラウンを擁しハレルソン、スタツとオンスリー可能なチームです。


ハレルソン、スタツ、ニュービルを置いたスタイルは宇都宮のロシター、スコット、ピークの布陣に近いものを感じました。

スラッシャーのニュービルが1日目23点、2日目26点と得点しフォワードの角野が1日目20点、2日目15点と多くの得点を稼いでいました。


大阪が届かなかったのはファジーカスを止められなかったことと。

そして、川崎ガード陣篠山、藤井、辻の勝負強さでしょう。


橋本拓哉を怪我で欠く大阪にあって大阪ガードの中村は2戦目は最後にファウルアウトしています。伊藤はアウトサイドのシュートに課題がありそうです。


アウトサイドシュートがありながらミスマッチを突くことに長けている経験豊富な川崎ガード陣との差が大阪戦では現れていたように感じます。



翻って、宇都宮の布陣を見た時に鵤、ナベ、テーブスと川崎のタレントに負けないメンバーを揃えています。


宇都宮死角を見つけるのは難しそうです。


今週末のブレアリには目が離せません。


photo mih