Bリーグ第4節は東地区の優勝候補同士のカードとなりました。今シーズン最初の戦い、Bリーグチャンピオン千葉ジェッツにアルバルクが挑みます。

双方ともリーグ最強と言われるメンバーが揃っています。

今シーズン千葉からアルバルクに移籍したサイズは古巣との対戦となります。千葉はサイズの穴を昨シーズンルーキーながらオーストラリアリーグ(NBL)ファーストチームに選ばれた23才アメリカ人ビッグマン、ジョン・ムーニー加入で埋めています。

東京オリンピック代表の座を争ったエドワーズとロシターの帰化枠ビッグマン対決もあります。

また、互いにガード系外国籍選手を獲得しています。
アルバルクは北海道からポイントガードのジョーダン・テイラーを、千葉は得点力のあるウィング、クリストファー・スミスです。
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果たしてどのようなラウンド1となったのか?

第1ゲームは65-75でアルバルクが守り勝ち、第2ゲームは88-71と千葉がアルバルクを圧倒しました。

1.2戦でゲーム内容が異なる、互いに持ち味を出し合った対戦となりました。

今シーズンの千葉ジェッツ

昨シーズン念願のBリーグ初優勝、レギュラーシーズン東地区2位の千葉は、43勝14敗(勝率75.4%)平均得点89点(リーグ2位)平均失点78.2点(6位)と攻守に高いレベルのチームでした。日本人選手はフリッピン、田口の移籍以外は変わらず、サイズ、ショーターの移籍をムーニー、スミスの獲得でカバーして、特徴を大きく変えることなく今シーズンも優勝候補筆頭のチームです。

オフェンスではガードの富樫の速い突破と展開で作るファーストユニットがあります。セカンドユニットでガードに西村が出場してスミスなど周りの選手を生かしながらセットを組みます。このように特徴を変えながらゲームを作ります。
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ディフェンスでは、ウィングにディフェンスとスリーポイントに優れた(いわゆる3&D)原、佐藤を配してインサイドにランニングに優れたダンカンとエドワーズがいることで、臨機応変なスイッチとローテーションで固く守ります。
また、ショウディフェンスでプレッシャーをかけ、ターンオーバーやディフェンスリバウンドから速いトランディジョンでの速攻を得意としています。

今シーズンは開幕から第3節まで平均得点92.8点(1位)平均失点78.3点(10位)スリーポイント38.9%(6位)
と攻撃力は脅威的かつ守備も高レベルです。ただし、昨シーズン平均40.8本でリーグ1位あったリバウンドは第3節まで平均36.8本(11位)と大きく順位を下げサイズ移籍の影響が少なからずあると言えます。

第1ゲームはディフェンスゲーム

第1ゲーム前半はアルバルクは千葉のオフェンスを上手く抑えていました。千葉のディフェンスリバウンドやターンオーバーからのトランジションやファストブレイクにケアして、危ない時にはファウルをしてストップさせています。(第2クォーター残り8分29秒)

ムーニー、ダンカンのリバウンドは強力ですし、さらに原、佐藤の飛び込みからのセカンドチャンスを狙いますが、サイズ、ロシターの加入で強くなったアルバルクインサイド陣がそれを防ぎます。

また、アルバルクが良かったところはフィジカルの強い3番外国籍クリストファー•スミスへの対応です。

スミスの基本のマーカーはザックでした。スミスは193センチながらガッチリとした体格でそのフィジカルを生かしてペイントアタックする一方、柔らかなタッチのスリーは高確率(37.8%)です。それに対しザックはしつこくディナイして持たせないようにしていました。

しかし、スミスのマッチアップが周人や小酒部の場合があります。その場合スミスがローポストでポストアップを仕掛ける場面がありました。

そんな場合は、サイズが寄ってダブルチームをして対応していました。(第2クォーター残り6分47秒)
第2クォーターはこうしたアルバルクのディフェンスが奏功してリーグ1の攻撃力を持つ千葉をわずか7点に抑えています。
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後半に入りペースを上げたい千葉は明らかにテンポを上げました。

第3クォーター終わりから抑えられていたスミスを西村はシューターとして使います。

第3クォーター残り58秒
トップの西村と右ウィング佐藤がパス交換から佐藤がカールして大きく回ってゴールに走り込みスペースを空けます。同時に左コーナーのスミスがムーニーのダウンスクリーンを使って左ウィングに上がりフリーで西村からパスを貰います。そして放たれたスリーがネットを揺らしました。
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同じのようにダウンスクリーンを使って打つセットで第3クォーター残り15秒と第4クォーターはじめに3本連続のスリーを決められて、アルバルクは追い上げられます。

しかし、テイラーのスリーポイントやロシターのスピンターンからのフェイドアウェーが決まるなどして千葉の追従を許さずアルバルクが千葉に先勝しました。

千葉の破壊力

しかし、第2ゲームは第1クォーターに千葉のオフェンスが爆発しました。富樫に縦横無尽にディフェンスを切り裂かれ、効果的にスリーを決められ36点。19点のビハインドを奪われます。この日の勝敗はここがすべてと言えます。

このゲームではあえて富樫はテンポをアップさせているように見受けられました。トランジションを意識して、攻撃もシンプルにピックも使わないケースが多く、攻めに時間をかけずにハイペースにゲームをコントロールしていたようです。
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第1クォーター残り8分30秒
トランジションから富樫がペイントに侵入→ウィングの原にパスアウト→トップに走り込んできたムーニーにティップパス、ムーニーのスリーが決まります。

展開が速いです。

また、この日の千葉は佐藤、原のディフェンスがインテンシティ高く、ピックにはファイトオーバー、マーカーにはディナイしてパスコースを潰すなどその貢献度は高かったように思います。

第1クォーター残り5分23秒
ディフェンスリバウンドからロシターがボールを運び右ウィングの位置に来ます。右コーナーからテイラーがハンドオフに来ますが原のマークにあって渡せず、トップの位置から大貴がもらいに来て、なんとかサイドライン際でパスを受けますが佐藤のリフレクションにあってアウトオブバウンズになりました。
続く残り5分4秒
ゴール下で原とミスマッチとなっていたロシターに大貴がパスを送りますが、原がジャンプしてそのボールをスティール→富樫→ムーニーと渡ってファストブレイクが決まりました。

第1クォーターだけで富樫は14点、スリーポイント3本、最後はBリーグスリーポイント600回成功の記録のおまけ付きです。

アルバルクはゲームの流れを引き戻せず第4節は1勝1敗の痛み分けとなりました。

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小酒部の成長を実感

今節のゲームを通して富樫のアジリティについて行きディフェンスできていたのは小酒部だけに見えました。

ドリブルをつきながら巧みに素早くダッシュとストップを繰り返す富樫はテイラーや大貴でもマッチアップすることが大変そうでした。しかしながら小酒部は富樫が使うムーニーやダンカンのスクリーンに阻まれながらもファイトオーバーしてしっかりチェイスをしてズレを最小限にとどめて富樫に自由に仕事をさせていませんでした。

また、小酒部は攻撃でも存在感を示します。

今シーズンのアルバルクのオフェンスは、1番から3番プレーヤーもしくはロシターも含めると4番プレーヤーまで、どこからでもプレイメイクをするという特徴があります。

ポイントガードの大貴、テイラーの他、ウィングの小酒部、周人、ザックがピックアンドロールを仕掛けます。

仕掛けたピックアンドロールの2メンのコンビネーションの精度の高さと意外性の構築が今後のアルバルクの伸びしろです。
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その中でも小酒部のプレイメイクには光るものを感じます。大貴の背中を見て覚えた技術と、もともと持つ身体能力とシュート力でドライブやキックアウトを磨いており、アレックスとのコンビも決まりだしています。(オサカークと呼ばれています)

こうした、小酒部のゲームを重ねる度に見える成長を今節でも実感することができました。

スリーポイントのアテンプト

一方で今節の千葉戦からアルバルクの課題も感じ取れています。

アルバルクはペイントタッチからキックアウトしてオープンを作り高確率にスリーを打ち込む攻撃もよくしていますが、今節のスリーは第1ゲームが6/26(23.1%)第2ゲームが4/16(25%)と非常に確率が低かったです。

決してクローズアウトされてタフショットになっていたばかりではありません。流れが重い時にはなかなかスリーは入らないものですが、それよりも注目するべきは試投数ではないかと思うのです。

第2ゲーム千葉の富樫とスミスのスリーポイントは富樫が4/9、スミスは2/5です。一方でアルバルクの周人と小酒部は周人が2/4、小酒部は1/4です。
問題にしたいのは成功確率よりもアテンプトです。

打てる時に打っていない印象があります。

コーナーでキャッチアンドシュートのチャンスでもドリブルをついてミドルを選択するケースが多いように感じるのです。

第4節までの1ゲームあたりのスリーのアテンプトの平均は周人が4本、小酒部が2.1本です。千葉の富樫の8本と比べるとその差が実に大きいとわかります。

シューターは外れても打ち続けることが肝心と言います。第2ゲームように点差が離れた時にはスリーの威力にあやかりたいところです。

「スリーのアテンプトを増やすこと。」これはアルバルクに提言したい課題のひとつです。
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次回の両者の対戦は、2月5日・6日にアルバルクのホームゲームとして開催され、来シーズンホームアリーナとなる予定の代々木第一体育館で行われます。

その頃にはアルバルクもチームケミストリーが高まり、もっといいバスケットが見れることでしょう。ますますアルバルクの成長を期待していたいと思います

photos by ともみん