Bリーグ、リーグ戦第34節、リーグ戦2位の千葉ジェッツと3位川崎ブレイブサンダースの連戦は、ポストシーズン進出をほぼ手中に収めている両チームのCS前哨戦とも言える対戦でした。


現在の順位でリーグ戦が終了した場合、CSでは双方が勝ち進めば決勝で当たる可能性があります。

この連戦は実際に対戦しながら相手のデータを収集できる絶好の機会でもあります。


結果は、第1ゲーム87-85。第2ゲーム80-73で川崎の連勝で今シーズンの両者の対戦成績は3勝1敗で川崎の勝ち越しとなりました。

この連戦での注目は川崎のファジーカス、ヒース、アギラールのビッグラインナップが千葉に対していかに機能するのか?


千葉はこれに対応するためにどのような仕掛けを試すのか?


そして第1戦の勝負どころで川崎が見せたセットプレーはポストシーズンでもみられるかもしれません。


以上を検証してみようと思います。


【熟成されてきた川崎ビッグラインナップ】


川崎のオンスリー、ビッグラインナップは帰化選手ファジーカスと外国籍ヒース、アギラールのビッグマンを同時起用する戦略ですが、狙いは、


①3番ポジションはほぼ確実にミスマッチを作り出すことができるためそこをハイローやロブパスで狙い、サイズのミスマッチをを突く事。

②アウトサイドシュートのあるビッグマン3人いることで、藤井(篠山)、辻と全員がどこからでもスリーポイントを狙えるファイブアウトを構築すること。


にあるのだと考えられます。


シーズン当初はビッグマンの役割が被ってしまうことが多く、目的のひとつファイブアウトにするためトップの位置にヒースやファジーカスを置いてコーナーにアギラールが配置されるとピックプレーなどの展開の中でインサイドにビッグマンがおらず、ビッグサイズがありながらリバウンドが取れない事が多くありました。(現状でも千葉はリバウンドランキング2位、川崎は7位です)


また、シーズン序盤戦はヒースのシュートタッチが良くなかったこともあり、アウトサイドのシュートの確率は上がりませんでした。


当時「3番には、熊谷や長谷川を使った方がいい」と言う解説の方の意見もよく聞かれました。


しかし、現状は成熟してきました。

今節もそうですが、このビッグラインナップのキーマンは3番、4番を両方とも高いレベルでこなしているアギラールだと言えます。

アギラールはオンツーの時のピックなどの4番の役割とオンスリー時スイングマンとしての役割をオールマイティにこなすIQの高さと動きの敏捷性を持ち合わせていて、今ではチームの中で高いレベルで機能しています。


ゲーム2ではアギラールは24得点、11リバウンドのダブルダブルでしたが、それよりもアシストが4つあり、スティールが3つもあった事が彼の価値を高めています。

3番プレーヤーとして確実にチームにマッチしていると見えました。


【千葉のゾーンディフェンス】


そんな川崎のオンスリーに対して今節千葉は3-2のゾーンディフェンスを試してきました。


ビッグラインナップに対応する千葉はダンカン、ギャビン、サイズの3人のうち2人を4番5番に起用しています。

バックコートに冨樫と佐藤(原)とショーターでした。


マンツーマンディフェンスではアギラール(203センチ)のマッチアップがショーター(193センチ)になってしまうため、そこのミスマッチを狙われていました。

千葉のゾーンディフェンスはゾーンにしながらボールマンにはコンタクトするスタイルで中を固めています。そうする事でペイントのミスマッチは防ぐ事ができます。

川崎ビッグマンは基本アウトサイドとポストに配置するので中を固めてタフショットを打たせてリバウンドを取ると言う戦略のようです。あまり多くの時間ゾーンを使いませんでしたが、これはポストシーズン用に試していたのかもしれません。


【川崎、勝負どころのセットオフェンス】


第1ゲームは最後まで接戦でした。この日の勝負を決めたと言えるプレーは第4クォーター残り1分22秒、川崎81-80で1点リードの場面で藤井の3ポイントバスカンの4点プレーを生み出したセットプレーでした。

もうひとつ注目はそのひとつ前の攻撃で使われたセットです。繰り出されたのはヒースのアリウープダンクです。


この二つは同じ展開からアリウープに展開させるかスリーポイントにするか分かれるセットでした。


79-78川崎1点リード

トップの位置にファジーカスがエントリー

右エルボーにヒース、右コーナーにアギラール、左ウィングに辻が配置します。右ウィングから藤井がゴール方向にカットしてからカールして左方向から上がってきます。

ファジーカスの位置に上がってハンドオフ


辻はフリースローラインに侵入


ヒースが藤井のマークの富樫にスクリーン

辻がヒースのマークのサイズにスクリーン(スペインピック)藤井は空きスペースの右ウィングにドリブルします。

ヒースはそのままロールしてゴール下にノーマークで藤井からのロブパスを受けてアリウープダンクを決めました。


そして次の攻撃


同様にファジーカスがトップに移動

藤井が右ウィングからカールしてあがりファジーカスからハンドオフ


前と同じ展開です


藤井は右ウィングにヒースのスクリーンを利用してドリブルで進行。


千葉ディフェンスは前回やられているので辻とヒースの動きをマークします。


藤井は右ウィングからスリーポイントを撃ちました。辻のマークから佐藤がシュートチェックに走りましたがそこでシュートファウルを起こしてしまい、勝負を分ける4点プレーとなりました。

この結果85-80と5点差となり最終的に87-85で川崎が勝利しました。



川崎はリーグ戦終盤このあと、宇都宮、アルバルク、渋谷と強豪と戦います。


ポストシーズンに向けて一戦一戦戦略を試しながらの戦いができます。


虎視眈々とBリーグ制覇、天皇杯との2冠を狙っていることでしょう。


photo kii