オリンピック本番を来月に控えて、メダルを狙うバスケ日本女子代表とポルトガル代表のテストマッチ(三井不動産カップ)初戦が6月10日木曜日横浜武道館で行われました。

ゲームは69-47でで日本が勝利しましたが、第3クォーター終了時点で日本ペースであったとは言え、40-40の同点でした。

第4クォーター、三好の活躍でペースを掴んでなんとかポルトガルを引き離しました。

FCEEEAE9-F357-4C1F-8F9E-1F3EE3BCCCE4.jpeg 492.44 KBそこで垣間見たトム・ホーバスHC率いる日本代表について、どのようなバスケを指向して、どのような課題があるのか考えてみたいと思います。

どのようなチームになったのか

FIBAランキング48位のポルトガルは10位の日本からすれば格下のチームと言えます。

実際初戦の対戦を見る限りでは、コンディションの問題なのかもしれませんが、単純なシュートミスやハンドリングミス、パスミスが散見され、試合を通して1本のスリーポイントしか成功させておらず、強豪とは言いにくい相手でした。

見るべきところはC、PFポジションの2人、12番クストゥルコバと14番ソフィア・シルバの190センチ超えのサイズへの対応だったのではないかと思います。

日本は渡嘉敷が怪我のためオリンピックの出場がなくなり、サイズでは対戦相手より圧倒的に不利となります。

ディフェンスではトラップ(ダブルチーム)からトラジション。
オフェンスでは全員がアウトサイドから得点できるバスケを展開していました。

今回のポルトガル戦では高田と赤穂がともに29分のプレイタイムがあり、チームの軸として機能していました。

8C4E332D-6540-4D7D-87C7-FB8D01699B4F.jpeg 514.74 KBディフェンスでは2人ともペイントで身体を張り、スティールも5本ずつあります。

赤穂にあっては185センチ72キロの体格でリバウンド7本、その内オフェンスリバウンド4本獲っています。

ポルトガルのリバウンドリーダーであるクストゥルコバがリバウンド7本うちオフェンスリバウンド3本であることからその存在感はかなりのものです。

そこに宮崎、町田、安間、本橋のガード陣がスピードとドライブで中に割って入りキックアウト、ボールムーブから中と外にボールを散らしてチャンスメイクを担います。

林、奥山、三好、北村、宮澤シューターはキャッチアンドシュートを狙います。

881D76B2-EC21-41D4-A17E-467F06C20914.jpeg 462.55 KBセンター、PFの長岡、谷村、オコエは自分達より10センチ以上大きな選手を相手にボックスアウトに奮闘し、オフェンスではスクリーナーとなり、ポップしてスリーを撃ちます。

フォワードエブリンは赤穂と共にスラッシャーとしてドライブ、リバウンドに飛び込みます。

今のメンバー16人は最終セレクトのテストを兼ねているところです。生き残るのは12名。熾烈なメンバー争奪戦が繰り広げられています。

シューター陣は特に熾烈です。この日、4本のスリーを成功させてその後1本のドライブを決めた三好は代表生き残りに名乗りを上げました。

この日に見せたディフェンス

日本代表がサイズで劣る中、どのようなディフェンスをするのか興味がありました。

印象に残ったディフェンスをいくつか記したいと思います。

2BECCCE4-8DD5-4ADD-A5D7-6340FE2CFC54.jpeg 441.28 KB相手バックコートから赤穂をトップに宮崎、林(町田、三好)が2列目を組んだ1-2-2のゾーンプレス。ボールが入ってコーナーにダブルチームで追い詰めスチールが成功しています。

第2クォーター残り6分50秒。オールコートからハーフコートに運ばれた時に見せたディフェンスはマッチアップゾーンでした。
マンツーマンなのですが、べったり付かずボールマン以外にはペイントの外1m程度でマークマンから距離を取り、ゾーンのように守るやり方です。アウトサイドシュートの無い相手に対して中を固めてディフェンスリバウンドを奪うには有効でした。

第2クォーター残り2分。通常のマンツーマンディフェンスではボールマン9番ファレイラに対するマークは林。相手のピックプレーに対してスクリーナー12番クストゥルコバのディフェンス高田がボールマンを追ってハードショウに行きダブルチームを仕掛けました。

パスミスを誘い赤穂がボールを奪いました。

A13E1906-4437-47F8-AA5A-FD7154986998.jpeg 473.89 KBローポストでは190センチ超えの相手ビッグマンの12番クストゥルコバや14番シルバがパワープレーの1on1を仕掛けてきました。

どうしてもサイズで劣る日本は長岡や高田でも止められません。
そこでヘルプに入りダブルチームで守るローテーションを組んでいました。

ただし、オコエだけは1on1で負けていなかったことは書き加えておきます。

スピードとアウトサイドオフェンス

日本はガード陣のスピードあるドライブと5人全員がスリーポイントを狙うオフェンスを展開していました。

スリーを狙うということはギャンブルの要素を含みます。

故に第1クォーターのようにリズムが悪いとスリーが停滞してしまい。点数が止まる傾向がありました。

オープンを作って撃ちますが緊張感があったのか、4連続で外す時間帯がありました。

F522C217-0104-43D1-8693-B4D5B6476CDF.jpeg 518.35 KBオープンを外すとゲームが重くなり停滞します。リズムを作るにはトラジションから宮崎や安間がスピードあるドライブを決めきるところが効果的でした。
1本決めるとキックアウトが有効になりタイミングのいいパスが回せます。

奥山や林のスリーはそんな中から生まれています。

町田はシンプルなピックアンドロールやピックアンドポップでも綺麗にアシストを決めていました。この日18分のプレータイムで8アシストは立派です。

本橋も怪我から復帰してコートに立ちました。まだまだドライブのキレは戻っていませんがあと1ヶ月でコンディションが戻る事を期待したいです。

気になる課題

やはり、見えた課題はインサイドです。

アウトサイドの確率は高くとも停滞した時は攻め手を失ってしまいます。そんな時、ペイントで着実に点が取ることができれば楽なのですが、強いチームと当たるほど2ポイントの確率は低くなるでしょう。

いかにして高い確率でペイントで得点するのか、は課題の第1項目に思えます。

D91CC195-60AD-4956-99B7-9D53C8ACC64C.jpeg 613.28 KB日本の生命線はスピードとスリーポイントになりそうです。緩急を使って速さを演出したドライブで割って入る事、ディフェンスからターンオーバーを誘発する事。

ターンオーバーからの得点、トラジションからの速攻を成功させること。

これらの確率がミスをしないチームに対してどのくらい高く維持できるのか。

45ECFABB-C312-4F7F-941C-E44AC59EFBC9.jpeg 545.08 KBそんなところをポルトガルとの残り2戦、代表セレクションも併せて見ていきたいと思います。

オリンピックで強いakatsuki five女子を見せて欲しいと願っています。

photos by may