「クラッチシューター」と言いますが、それは、この人のことを表現していると思わせる一撃でした。


第4クォーターまで一進一退を続けていた第35節横浜ビーコルセアーズ対新潟アルビレックスBB戦第1ゲーム。


横浜のホーム最終節且つ竹田謙選手、ミリングHC最終節の試合でもあり、会場も新しい横浜武道館で行われたこともあって会場は満席でした。 



最終スコアは87-85で息詰まる接戦を制したのは横浜でした。


【アキチェンの勝負を決めたスリーポイント】


残り17秒、83-84。横浜1点ビハインドで西田のファウルからカーターがフリースローを得ました。


この日はベクトンがフリースローが入っていなかったのでカーターの方が確率は高く横浜にとっては追いつく絶好のチャンスでした。



ところがカーターが1本目を落とした次の2本目もリングから大きく跳ねました。


観客の大きな「ああー」という声が響きます。


ロスコが飛びつきましたがティップしたボールは右コーナーでベクトンが回収→左ウィングの森川へ。森川はペイントに侵入、ジャンプシュートを狙ったのか飛んだが撃てません。


空中で探す。右ウィングにフリーのアキを発見、反転しながらパスを出しました。


五十嵐のリフレクションにあいボールのコースは変わるがアキは移動してパスキャッチ。


迷わずスリーポイントを放ちました。


残り8秒。これが射抜かれました。

86-84逆転です。



新潟はタイムアウト後の攻撃でロスコがレイアップに行ってファウルを受けました。得点差は2点です。

残り1.8秒フリースローは1本しか入りませんでした。

そこで勝負は決まりました。


【アキチェンの状況判断力】

この日何度か使われたセットの中でアキチェンの状況判断によって流れが変わったプレーがあります。

彼が演出したカーターのアリウープダンクです。


森井がトップから→左ウィングのカーターにパス、

森井は右ウィングに流れます。


するとカーターはドリブルでエンド方向にドリブル左コーナーから上がってくるアキとハンドオフ。アキのマーク林を引っ掛けます。


アキはそのままドリブルして上がって左エルボーでベクトンのスクリーンを使ってさらに林を引っ掛け、そこからカールして右エルボー方向からドライブしてゴールに向かいます。佐藤公威とロスコを引きつけたら左ショートコーナーから飛び込んできたカーターにロブをあげてアリウープダンクが決まりました。



アキの正確な状況判断が生んだ新潟にとっては流れが変わる派手なプレーでした。


【クラッチシューターたるには何が必要か】


アキはこの日12得点3アシスト、スリーポイントは2/4です。この日成功した2本のうちの1本が先ほどの残り8秒のスリーで、価値ある1本です。


同じ3点ですが、勝ち負けに対する貢献からすればその価値は全く違うものになります。



アルバルクの自力CS出場の望みを絶った4/21の立飛でも追い縋るアルバルクをアキのスリーポイントで突き放しています。


プレッシャーのかかる要所での勝負強さは、しっかりとした技術がありながらも、戦術や技術を超えたメンタルを持って、さらにチームからの信頼を兼ね備えているものにしかボール(チャンス)は回って来ないし、結果も生まれて来ません。


いわゆるチームのエースと言われるチームのシステムの中で得点を取る役割は横浜ではカーターやベクトンのインサイドです。



ただ、ゲームの勝敗を分ける大事な局面でボールを託されるのがクラッチシューターと言われる今日のアキのような選手でしょう。


現在代表候補に名前を連ねているアキ・チェンバース。横浜だけでなく、代表の中でその存在感をを見てみたい。そう思ったゲームでした。