スモールボールを掲げて東京オリンピックで世界を凌駕した日本女子バスケは銀メダルという輝かしい結果をもたらしました。

ホーバスHCが言う「スーパースターはいないけどスーパーチームだ」に違わず小さな日本の選手達がそれぞれの役割を全うして大きな相手を翻弄する姿に感動を覚えました。

日本女子バスケのコンセプトはスペーシング、ムーブメント、スリーポイントであったと思います。

ファイブアウトでスペースを取り、ボールとポジションを動かしてペインタッチをして、外のスリーポイントをとペイントアタックと散らしながら得点していました。

ディフェンスは走り続けて運動量とトラップで高さを補い世界一にあと少しのところまでやって来ました。
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そんな世界レベルのバスケットが国内で観戦できるのが『Wリーグ』です。
それは、日よっては大学リーグのように1日で3試合6チームも観戦できてしまうという涙もののリーグ戦です。

Bリーグのような照明などの演出はありませんがスピード感あるゲームと音楽で日本の世界レベルのバスケットを堪能できます。

その特徴はオリンピックでも証明された世界1のスリーポイントのシュート確率。どこのチームにも林選手のようなシューターがいます。

世界1のクイックネスとドライブテクニック。町田選手だけではなく代表の本橋選手、宮崎選手しかり、元代表本川紗奈生選手など日本のガード、フォワードの選手のドライブテクニックは一見の価値があります

そして世界最前線の戦術。
Wリーグに来ているHCはびっくりするくらい世界レベルです。昨年度優勝のトヨタ自動車アンテロープスにはオリンピック6位スペイン代表HCルーカス・モンデーロHC。代表キャプテン高田選手擁するデンソーアイリスにはオリンピック4位セルビア代表HCマリーナ・マルコヴィッチHC。超一流HCが優れた戦術を披露してくれます。

トヨタやデンソーのバスケを見ていると今のバスケットの潮流のセットが出て来ます。サイズのない選手達がスクリーンプレーやカットプレーなど工夫してフリーの選手を作り出す動きはサイズの大きな選手のポストプレーでシンプルに得点するバスケットに比べて見応えがあります。

次に昨シーズンベスト4チームの今シーズンの見どころを紹介します。

トヨタ自動車アンテロープス

昨シーズン西地区17勝3敗。プレーオフに進んで2勝先勝で富士通、ENEOSを下して初優勝しました。

今シーズンのロスターは

馬瓜エブリン(代表)F
長岡萌映子(代表)CF
川井麻衣(三菱電気より移籍)G
佐藤京香(白鴎大 新人)F
三好南穂(代表)G
平下愛佳(U19代表)F
安間志織 G
宮下希保(アイシンAWより移籍)CF
梅木千夏(アイシンAWより移籍)G
山本麻衣(3x3代表)G
ソハナ(白鴎大 新人)CF
永田萌絵(2年目)F
馬瓜ステファニー(3x3代表)F
平野実月(愛知学泉大 新人)G
河村美幸 CF
HC ルーカス・モンデーロ

ペネトレイトできるPG川井が三菱電機より加入。アイシンAWよりシューター梅木が移籍してきたので併せてセカンドユニットの強化が図れそうです。

ポイントガードはENEOS宮崎と代表の座を争った安間、スリスリ代表の山本と移籍の川井です。PGのポジション争いが激化しそうです。
インサイドはソハナが成長すれば長岡、エブリン、ステ、河村の布陣でリバウンドがさらに強くなりそうです。
やはり優勝候補です。
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ENEOSサンフラワーズ

昨シーズン東地区15勝1敗。エース渡嘉敷、センター梅澤、シューター宮澤の怪我が重なりチーム戦術をツインタワーによるポストプレーから岡本、宮崎のランバスケットに180°変換させながらこの圧倒的な強さ。プレイオフ決勝でトヨタに敗れリーグ戦12連覇はなりませんでしたが、皇后杯8連覇を達成しています。

今シーズンのロスターは
奥山理々嘉 F
藤本愛瑚 F
林 咲希(代表)G
渡嘉敷来夢 CF
岡本彩也花 G
モハメドファティマトゥ早野夏 F
三田七南(昭和学院高 新人)G
高田 静 G
ローヤシン(新潟アルビレックスBBから移籍)CF
宮崎早織(代表)G
中田珠美 CF
星 杏璃 G
HC 佐藤清美

3シーズンぶりにENEOS黄金期を作り上げた佐藤HCが着任。渡嘉敷、梅澤はシーズン途中からの復帰だとしても岡本、宮崎、林のバックコート陣は強烈です。
インサイドは渡嘉敷不在の間、ENEOSインサイドを守り成長した2年目の中田珠美がおり、新潟アルビレックスBBから移籍のローヤシンはパワープレーヤーです。
しばらく任せても渡嘉敷には万全でコートに帰って来て欲しいです。

オリンピックで活躍した宮澤が富士通に移籍しましたが昨年怪我のため良いパフォーマンスはできていなかったので戦略ダウンは無いと言えます。
今年もENEOSは圧倒的に強いと思われます。
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デンソーアイリス

昨シーズン16勝4敗、西地区2位です。代表センター高田真希とフォワード赤穂さくら、ひまわり姉妹を擁してインサイド中心に攻めるバスケをします。どちらか言えばディフェンシブなチームです。昨シーズンプレイオフでは準決勝でENEOSに1ゲーム目はフリースローの1点差、2ゲーム目2点差の僅差で悔しい敗戦を喫しリーグ3位タイでした。


今シーズンのロスターは
園田奈緒 CF
本川紗奈生 F
髙橋未来 G
高田真希(代表キャプテン)CF
渡部友里奈 G
赤穂さくら F
稲井桃子 G
畠中春香 CF
近藤 楓 F
森ムチャ CF
篠原華実 G
石川 愛(シャンソンから移籍)F
赤穂ひまわり(代表)F

メンバーは佐古、石坂が引退、笠置が三菱電機に移籍して石川がシャンソンから来ました。今シーズンはマリーナHCのバスケを熟成するシーズンになりそうです。センター高田を中心に赤穂姉妹が合わせるセットオフェンスや本川のペネトレイトがオフェンスの基本です。本川のドライブを生かすため稲井、篠原、近藤のスリーポイントの確率が上がると期待が高まります。

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富士通レッドウェーブ

東地区2位、12勝4敗でプレイオフ進出しました。
プレイオフ準決勝でトヨタ自動車に2連敗してリーグ3位タイとなりました。サイズは日本のチームの中でもスモールです。5アウトにして全員がスリーを狙うと思います。

今シーズンのロスターは
星田美歩 G
岡田英里 G
内野智香英 F
赤木里帆(東京医療保健大 新人)G
町田瑠唯(代表)G
篠崎 澪(3x3代表)G
奥 伊吹(松蔭大 新人)F
田中真美子 CF
藤本愛妃 CF
中村優花 CF(ENEOSから移籍)
渡邊 悠 F(筑波大 新人)
内尾聡菜 F
宮澤夕貴(ENEOSから移籍)F
栗林未和 CF
オコエ桃仁花(代表) CF
HC BTテーブス

ENEOSから宮澤夕貴と中村優花が加入。中村は高さはそれほど無いですがパワータイプ。オコエとタイムシェアができインサイドの強化ができそうです。また、宮澤が入ることでスコアラーが篠崎に偏りがちであったところが、攻撃の幅が広がりそうです。
課題はセカンドユニット。
町田のあと出るPGとして岡田英里の成長が望まれます。
スペーシングと速さのある日本代表に近いバスケットが見られるでしょう。もう一つ上を目指してもらいたいです。

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以上Wリーグ昨シーズンベスト4のチームの見どころを掻い摘んで紹介しました。

この4チームの他7チームは別の機会に触れてみようと思います。

オリンピック銀メダルの余波が残る中、女子バスケ代表は9月26日からFIBA女子アジアバスケットがあります。
日本に咲いたバスケの花を枯らすことなく10月から始まるWリーグに繋いでもらいたいと思います。

世界水準を維持して、さらに発展させることでアメリカに勝てるバスケットをパリオリンピックでは見せて欲しい。 
その根幹はやはりWリーグになります。
日本にバスケットがもっと根づくことを祈ります。