見応えのある2連戦でした。


第22節シーホース三河対アルバルク東京は2戦を通して対策を講じあう知略に富んだ興味深いゲームとなりました。


第1ゲームは83-77で三河、第2ゲームは74-90でアルバルクの勝利です。

今節は両チーム痛み分けとなりました。


第1ゲームは三河が最大19点差のリードをつけますが後半アルバルクも追い上げ、一時同点に追いつきましたが終盤の勝負どころで金丸のスリーポイントで突き放されての敗戦です。


①前半の三河がアルバルクを引き離した戦略とは何か?


②後半見せたアルバルクの怒涛の追い上の修正点は何であったのか?


③ルカHCは試合後のインタビューで「19点ビハインドから一時同点に追いつきましたが終盤のディフェンスとオフェンスのミスが出てそこを三河さんに逃さず決められ勝利できなかった」と語っています。

そのディフェンスとオフェンスのミスとはどこのことなのか?


この3点を検証したいと思います。


【響いたアレックスの欠場】


三河戦第1ゲームアルバルクにトラブルが起こりました。

アレックスが股関節痛を突然発症したため、ゲームに出られないという事態が起こったのです。


ゲーム前に対策を講じてゲームプランを作り込んでいくアルバルクにとって大黒柱アレックスの欠場はゲームプランの大幅な変更を余儀なくされることは明白です。



スタートのビッグマンは譲次とケビンで始まりましたが、三河に12-0のランで走られ、先制パンチをもらいました。


アレックスをスクリーナーにしてロールしてペイントアタック。ポップアウトしてミドルやスリーポイントを狙うオプションは高確率で決まるアルバルクの主要な戦術のひとつです。今節これがありません。攻め手が減ったアルバルクに対して三河は見事な戦略をとります。


【①ガードナーとコリンズワース】


ガードナーはトップの位置に来てスリーポイントを打ちます。逆に198センチの大型ガードのコリンズワースはローポストに侵入してオフェンスリバウンドを伺います。マッチアップは181センチの元基なのでリバウンドはコリンズワースが圧倒的に有利です。


また、コリンズワースはペイントアタックからトップのガードナーにキックアウトしました。ガードナーにトップの位置からスリーポイント、またはハイローでローポストのアヴィにパスを送らせるためでした。


ガードナーのシュートタッチがこの日すこぶる良く、前半だけで4/4でスリーポイントを決めていました。



インサイドでもパワープレイからポストムーブのペイントアタックはケビン1人では止められません。


ガードナーはこの日42得点しました。

前半は完全に三河ペースでした。


【②アルバルクの反撃•修正点とは】


後半に入りアルバルクは息を吹き返します。


その理由は

一つはアルバルクはオフェンスリバウンドが取れていたこと。一つはケビンのシュートタッチが後半から良くなったこと。一つはデションが好調かつ左利きでインサイドで三河ディフェンスが左にムーブしてペイントアタックする動きに遅れ気味であったこと。そしてスリーポイントのタッチも素晴らしかったこと。があげられます。


リバウンドは特にオフェンスリバウンドはケビン、デションが飛び込み、セカンドチャンスポイントを稼ぎます。

また、ディフェンスリバウンドも含めてリバウンドはチーム全体で取りに行っていました。厳しい時はボールを味方に弾いてキープします。


ディフェンスもアグレッシブに個々人が張り付き簡単にシュートを打たせなくなりました。


デションは積極的に1on1を仕掛けてディフェンスを引きつけます。そこにケビンが合わせるコンビネーションも効果的でした。


ケビンとデションを休ませる時間(第3クォーター残り2分)にはオンザコートゼロで日本人、元東海大ユニットで三河を抑えていました。


ついに、第4クォーター残り4分大貴のスリーポイントで72-72の同点に追いつきました。


【③勝負を分けた3つのプレー】


ルカHCが指摘した終盤で勝負を分けたポイントのプレーの3つは以下の点ではないでしょうか。


1.第4クォーター残り4分大貴のスリーで同点に追いついた直後の金丸のスリーポイント。


2.残り3分ゴール下ケビンからデションへのコンビプレーからノーマークのゴール下を外してしまったミス。


そして3.第4クォーター残り1分、誓哉のフリースローで同点に追いついた直後の金丸選手のスリーポイントです。


金丸はこの日18得点の活躍でしたが、この終盤でアルバルクを突き放すスリーポイントは効果的でした。


このいずれもオフボールでのガードの選手(長野選手、柏木選手)がアップスクリーンをかけて、ほんの少し金丸選手をフリーにしてしまったところが原因でした。


こうしてこの日のゲームは最後に三河がアルバルクを引き離したゲームでした。


しかし翌日、アルバルクは見事な修正を見せてくれます。



【第2ゲームで見せたアルバルクの修正能力】


翌日のゲームではアルバルクは1試合目の反省点を踏まえて見事に対応してみせました。


①金丸に対するオフボールスクリーンのケアではディフェンスをスイッチする事で対応していました。

例えば第3クォーター残り4分柏木が左ローポストからトップに上がる金丸のマークマンのザックにスクリーンをかけます。トップに上がった金丸にはコリンズワースをマークしていた須田がスイッチしました。スクリーンにかかって遅れたザックはコリンズワースのマークです。


金丸は咄嗟に判断を変えてドライブに切り替え個人技でゴールは奪いましたがタフショットでした。スリーポイントを打たせず、タフショットさせた事で戦略としては成功といえます。


②ガードナーがローポストに入った時はダブルチームで対抗してパワープレイを防いでいました。


ウィングやトップの位置に金丸や川村が入った時はエルボー側でペリメーターの選手がガードナーからのパスをケアしていたようです。


③コリンズワースのガードとのミスマッチに対しては以下のように対処していました。

ローポストでコリンズワースがボールを持った時マークは誓哉でした。そこに大貴が金丸のマークを外してヘルプに向かいました。

金丸にはアヴィをマークしていたデションが中間距離を保ってケアします。

コリンズワースのオフェンスリバウンドと1オン1はこうして目立つことはなくなりました。


ルカHCはこうしたディフェンスが「長い時間(三河オフェンスを)抑えることができ勝利につながった」

と評価しています。


試合は43-39で前半4点差リードされる状況から後半は徐々にペースを掴み第4クォーターで誓哉の2本、デションの3本のスリーポイントを含めた猛攻で三河を退けました。



今節は、アルバルクのゲーム途中の修正力、前日のゲームから学びとって次のゲームに対策する対応力が、確かなものであることが証明されました。


まだまだ近くはなっていないプレイオフ進出に対する確かな自信をルカHCや選手から感じ取ることができました。



次、バイウィークを挟んでの名古屋戦楽しみです。

また、美味しい名古屋飯をいただきに参ります。

photo:まりえ