今節富山とのゲームはレギュラーシーズン最終戦でした。アルバルクホームのアリーナ立川立飛で行われたアルバルク東京-富山グラウジーズのゲームは114-87で27点差の快勝でした。


対戦成績を2勝2敗のタイに持ち込み得失点差で富山に1点上回ることができ、試合としては最高の結果を得ることができました。


今回の勝利でレギュラーシーズン富山と勝率で並んだ場合、得失点差で上位に行けることになります。


【連敗から生じたアルバルクの諦めない姿勢】


富山との対戦はここまで1勝2敗でした。

12月にはアウェイで104-85で敗れています。1月末にはホーム連戦でマブンガのいない富山に1勝1敗でした。


今節は怪我でアレックスと大貴がロスターから外れています。しかし、前節負けてはならない名古屋戦に連日オーバータイムで敗れた事で、「何としてでも今日は勝つんだ」という気迫が選手のプレーからも伝わって来ました。


その一つがリバウンドです。前回の対戦ではスミス、ソロモンのダブルタワーにゴール下を支配されていましたが、今節はリバウンドの本数でアルバルクの38本に対して富山は23本とソロモンがいなかったことを差し引いても大きく違います。

オフェンスリバウンドもアルバルクが13本に対して富山が8本、セカンドチャンスポイントもアルバルクの21点に対して11点と10点差があります。前回の対戦でやられたリバウンド、セカンドチャンスを気持ちで補った様子が伺えます。

また、印象に残っているシーンが第2クォーター残り6分53秒前田のスリーポイントが決まって39-35となったときにありました。


アルバルクのリードが詰められてゲームのイニシアチブを奪われそうになってタイムアウトを取った次のプレーです。


富山はここで一気に流れを変えようと、2-2-1のゾーンプレスをかけてプレッシャーをかけてきました。


ボールを運んでいた元基はハーフコートコフィンコーナーにダブルチームで挟まれましたが粘り強くパスを出して繋ぎました。


富山は2-3のゾーンに守りを変えます。


元基はエントリーし直してセットオフェンスからすっさんのオープンを作りました。


すっさんはスリーポイントを打ちましたがリングにはねられます。このリバウンドを富山前田が弾きます。そのボールを水戸が拾うところを、駆け出したオチャが前に大きく弾きました。


これを走って追いつきバックコートで回収します。


戻ったオチャは右ウィングからケビンのピックから中にドライブ、ディフェンスが収縮したところをキックアウトして右ウィングからフリーの譲次がスリーポイントを決めました。


このスリーポイント以降オチャのスティールからケビンへのファストブレイク、譲次の同じウィングの位置からのドライブなど流れを完全に引き戻しました。


こうした一連の「最後まで諦めない姿勢」がこのゲーム中、随所に見られたのです。

【小酒部泰暉の覚醒】


選手が同じ意識を共有してナイスプレーを連発する中、攻守に輝きを見せたのがオチャ、小酒部泰暉選手です。


元々彼の身体能力は化け物級で、今までも外国籍ビッグマンの上からリバウンドを奪ったり、対空時間の長いジャンプで1人バックボードあたりを飛んでいたりもしました。


ところが、今シーズン前半はその身体能力を持て余していた感がありました。


しかし年明けからの彼のパフォーマンスはチームを救うものに変わってきました。


残念なことに右指の骨折で約1ヶ月ゲームを離れていました。しかしアルバルクのメディカルスタッフの力と本人の努力で驚異的なリカバリーで前節の名古屋戦で復帰して21分出場17得点、翌日は35分出場15点9アシストの活躍をして名古屋ディフェンスの脅威となっていました。


そして今節の富山戦では、アルバルクにとって大事なシーンにオチャの活躍がありました。


【得失点差26点にこだわって、超えた!】


ルカHCはゲーム後のインタビューで、試合に勝つことが第一で富山との得失点差が現状26点ビハインドであり、無理にそこに辿りつくのではなく、チャンスがあってひとつひとつのプレイを正しくすることでこれを上回ることができるのであればいい。


と考えていたようです。得失点差の話はゲーム前には選手には一切伝えなかったそうです。


第4クォーター残り4分で17点リードの場面で初めて選手に得失点差の話をしたとのことです。


つまり、チームが富山との得失点差26点を越えようと目標設定したのが第4クォーター残り4分52秒のオフィシャルタイムアウトの時です。その時点で95-78、アルバルクは17点リードでした。残り4分52秒で10点です。



タイムアウト明け、残り4分。

オチャがボールプッシュしてトップから縦に割ってドライブを仕掛けました。宇都選手からファウルを受けてもスピンムーブして転びながらもレイアップを決める超タフショットなバスカンを決めたのです。


そこからググッと流れがアルバルクに傾き、第4クォーター残り3分から43秒までのデションの活躍で108-87。


21点差。あと6点。

スリーポイント2本で得失点差26点を超えます。


残り33秒ケビンのスリーがトップから決まりました。ルカがタイムアウトを取ります。


試合後の五十嵐トレーナーがTwitterに「【なんで点差ついてるのにあんなに必死なん⁇】って思っただろうなー😅」とつぶやいていました。


ベンチも一丸となって26点を越えようと集中していたのが伺えます。


そして残り3秒でデションが決めてくれたのです。


成し遂げました。


【小酒部泰暉の成長】


オフィシャルタイム明け、チームが26点差を追いかけるその口火を切り、鼓舞したのはオチャのあのタフショットであったのは間違いありません。


オチャはジョシュア•スミスの上がりの遅いところを狙ってファストブレイクでケビンへのパスを通したり、ディフェンスで上がらないジョシュアの前でミドルを沈めています。


相手のウィークを突くことも、その身体能力で縦に割ってレイアップを決めることも、ピックアンドロールを使うことも、IQも含めてバスケットプレーヤーとしてレベルアップをしています。


成長が早い。


この試合でルーキーは大貴不在のチームのカンフル剤になり得ていました。



ルカHCは彼をこう評価しています。


小酒部選手はまだルーキーですし、大学でのトップスコアラーというレベルですので、プロのレベルであれば、スクリーンを使ったプレー、(スクリーンを)ヒットさせるプレーがもっともっと伸びていく可能性があります。もちろん日々の練習で田中大貴を見て、そこのところを森ACと常にスキルワークをしっかりとハードにしていますので当初に比べて徐々に良くなって、シーズン中でもレベルが上がっているのは間違いないです。


田中大貴という日本一のペリメーターを近くで見て自分のものにして、田中大貴でもなく、馬場雄大でもない唯一無二の存在になるのはそう遠くない。


これを確信させるのに十分なこの富山戦のパフォーマンスでした。


【プレーオフに向けて】


さて、アルバルクはアレックス、大貴不在でプレーオフに向けて戦っていかなければなりません。


プレーオフに向けてルカHCはこう言っています。


アクシデントのあったアレックス、大貴がいない中いいプレーはしています。いい試合はこなしています。

しかし、三河戦でも名古屋戦でもこれを勝ちに繋げることができなかった事をチーム全体でこれを重く捉えて、どうすれば勝てるのか?どうすれば勝つプレーに繋げるのか?

これはブザービーターを決めるとかではなく、細かい小さなプレー。(この積み重ね)これが勝利に導くプレーという事になります。

これを個人でしっかり意識してチームでしっかり総合的に戦って(アレックスや大貴が)いない中でも必ず白星に繋げるという事を今後の残りのレギュラーシーズンでやっていきたいと思います。



もう、頑張った。惜しかった。いいゲームでした。では目的を達成できないところに来ています。求められるのは『絶対に勝つ』という強い気持ちと正しく遂行する力です。そして達成する。


応援しています。アルバルク東京‼️